香港は誰もが知る「食」のメッカ。
美味しい海鮮料理からローカル飯までグルメの幅はとても広く、食べ飽きることが無いほどの飲食店が乱立している。どのガイドブックをみても香港グルメは大きく取り上げられていることだろう。
今回はそんな食の天国と呼ばれる香港が、なぜ飲食店にとって地獄なのか、その真実に迫る。
なぜ香港は「食の天国」と呼ばれるのか
香港はイギリスの植民地だったこともあり、異文化交流が発達している。そのこともあってか、食もあらゆる国のグルメが堪能でき、実にバラエティー豊か。
アジアの入り口とも呼ばれ、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアなど多彩な食材が手に入ることでも有名なのが香港。

photo credit: Stuttgart Farmer’s Market(license)
食べて、歩いて、また食べて。数え切れないほどの飲食店。
香港の面積は1,104km2と非常に小さいのに比べ、総人口は7,234,800人と比較的多い。
計算すると1km2あたり6,544人というもの凄い混雑ぶり。
そして、この人口を支えるのが香港の飲食店。
街中を歩いていても右に左にレストランがあり、お腹をすかした客をもてなしている。
香港は飲食店にとっての地獄
「あれ?この店どこ行っちゃったの?」なんて、香港でよくある話。1年も経てば店並びがガラッと変わる。新しい飲食店の出入りが極端に激しいのが香港の特徴だ。
考えられる一つの理由が地価の高騰。
人口密度も然り、場所がないから土地の値段も上がり、家賃もどんどん高くなる。そうすると、そこそこ成功している飲食店でも移動、または撤退せざるをえない。
客としては新しい店がオープンする度に大喜びするが、飲食店にとって香港での店構えは死活問題なのだ。
新しいもの好きな美食家香港人
多くの飲食店は初めの2年間、売り上げが上がり、お客も躊躇なく列をなして並びます。ただ、2年を過ぎたあたりから途端にお店はガラガラな状態に。
良い例で言えば、博多ラーメン屋「一風堂」だろう。一風堂といえテレビ番組「史上最強!ラーメン王決定戦」などでグランプリを勝利して一躍有名になり、今では海外進出し世界的にラーメンを広めた先進者。
香港支店オープンから1、2年、日本一美味いのラーメンが香港に来た事で浮かれたった人々が、朝から晩まで長蛇の列を成して並んでいた店前。
しかし、残念な事に今は忙しいランチ時でも割と空いている。
新しいものが大好きな香港人は飽きるのも早い。
まとめ
香港の飲食店のライフサイクルは極端に短い。
食べる事が大好きな美食家達は香港が大好きだろう、ただ色々な思いを持った飲食店経営者達は、その腕に成功の思いをかけて毎日料理を手がけている。
高騰する地価に追われ、激しい競争率の中多くの美食家達を喜ばせなければならない。その上、香港の食の頂点に立つ事は一瞬の出来事のように儚い。
グルメ天国香港は地獄の上に成り立っているとしか思えない。
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