僕には理解できないことがある。それが冬に食べるソフトクリーム/アイスクリームである。
クッソ寒い真冬でもアイスクリームを食べたくなるという心理が理解出来ない。なぜだ。もっと寒くなるだけじゃないのか。
人に聞けば「冬に食べるアイスクリームは格別だ」とか、「冬にアイスクリーム食べないなんてありえない」とか、しまいには「冬だからこそアイスクリームでしょ」とかいう輩も出てくる。そこで決心した。虎穴に入らずんば虎子を得ず。僕は覚悟を決して冬アイスとやらを食べることにした。
そして…案の定。美味しかった。
それアイスクリームじゃなくてソフトクリームでしょ!というツッコミは話の辻褄に合わなくなるので、聞かなかったことにして。
今回、冬に食べるアイスがなぜ美味いのか、という点について深く深く考えてみた。
冬のアイスは溶ける心配がない
まず香港の夏をご存知ならわかることですが、僕の住む香港の夏は蒸し暑い。アイスなんて数分も経たないうちにドロドロ溶ける。そして、アイスが溶ける心配と焦りで一種のパニック状態に陥る。そうすると、夏のアイスは淡々とリズムよく一気に食べなければならない。一瞬でも気を抜けば指にタラ〜っと溶けたアイスが垂れてきて手がベタベタになるという精神的ダメージは大きい。
だが冬のアイスにはその心配は無い。夏のアイスを買った時の不安要素がないのである。
冬のアイスは自由だ
アイスが溶ける心配が無くなったということは、時間の自由を手にしたも同然。そう、アイスを自由の女神のポーズように掲げても誰も文句は言うまい。君は自由だ。寧ろニューヨークでも有名な観光名所「自由の女神」が右手に持つ松明は冬のソフトクリームそのものにも見えて来る。松明の象徴する「世界を照らす自由」という意味も、冬のソフトクリームにぴったりのような気もしてくる。
好きなタイミングで好きなだけアイスを舐めればいい。そして、暑さというものからも解放されアイスそのものに集中出来る。気がすむまでアイスを堪能出来るのが冬アイスの特徴だ。
冬のアイスという雰囲気がカッコイイ
アバンギャルドだ。世間とは逆を行くような行動もカッコイイ気もする。だんだん冬に食べるアイスがロマンなんじゃないかと思えるくらい雰囲気もマッチしてくる。雪の白さとソフトクリームの白さも良い例だろう。中国語で「雪糕」とはアイスクリームを意味する。それも、雪のキャンディーだ。なんてロマンチックなんだろう。
「寒いね」っと言い合って食べるアイスは「あち〜」っと言って食べるよりも愛らしい。
こうまで書くと、 むしろなぜ夏にアイスなんて買うんだ?っと思えてしまうくらい思考が逆転する。
さいごに
もし香港へ観光にきて、ふと道端でこのトラックを見つけたら立ち寄ってみてほしい。僕が今回紹介したソフトクリームもここで購入。その名も「Mobile Softee」(モバイル・ソフティー)。1970年から姿も変わらずこのアイスクリームトラックで、香港ローカルなら誰もが知ってる香港文化と共に在り続けたソフトクリーム屋さんです。
おっちゃんがカッコよくソフトクリームを手渡してくれます。
ソフトクリームは2015年現在9ドル香港です。安すぎ、けど美味すぎ。特に冬のソフトクリーム美味すぎ。
ソフトクリーム屋さんの定位置
尖沙咀側にも香港島側にもスターフェリー乗り場付近によく止まってます。どちらかというと尖沙咀側の方がわかりやすいので、こっちをご紹介します。
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